寒くなり、マラソンの季節となってきました。
ランニングをしている方でよく出る代表的な症状がいくつかあります。
『走ってるときに膝の外側が痛くなる』
例えばこのような症状を訴えられる方が多いです。
今回はそんな症状でお悩みの方に自宅で簡単に行えるセルフケアをお伝えします。
ケアの方法だけ確認したいという方はYouTubeで動画を紹介しいるので、こちらからをご覧ください。
1:走ってるときに膝の外側が痛くなるのはなぜ?
元々、人間が歩くときには膝が外側へと逃げていく負担が膝にかかります。
そのため、膝の内側には骨がぶつかる負担がかかります。
逆に、外側は過度に伸ばされる負担がかかります。
ランニング中には通常歩くときと比較して、体重の移動が速く・大きくなるため膝へとかかる負担が歩く時よりも大きくなります。
参考までに物理知識として
力の大きさ=質量×加速度
という公式があります。
そのため、速く移動するほど身体への負荷は大きくなります。
また、体重が重ければ重いほど負担が大きくなります。
本来、人間の身体は日常生活レベルであれば出力可能なエネルギーに対して同等の吸収機能が備わっています。
しかし、ランニングなどのスポーツ場面ではかかる負担が大きくなるため吸収しきれない負荷が身体にかかります。
そのため、負荷がかかりやすい膝の外側に痛みが出やすくなります。
また、運動強度が上がった時以外にも筋肉の柔軟性の低下による筋出力の低下でも、同様に身体にかかる負荷を吸収しきれずに身体に痛みが出てきます。
2:ポイントとなる筋肉は?
膝の外側に痛みの出やすい場所は
①膝の外側を支える靭帯
②スネの外側にある腓骨に筋肉が付く部分
③膝の外側を通る腸脛靭帯と膝の骨が擦れる部分
主にこの3点が痛みの出やすいポイントです。
その中でも特に多いのが③の靭帯と骨が擦れることによる炎症での痛みです。
次に目立ちやすいのは骨に筋肉が付く部分の炎症です。
どちらもポイントとなる筋肉は腸脛靭帯に繋がる大腿筋膜張筋です。
さらに、大腿筋膜張筋へと繋がるお尻の外側の筋肉も重要なポイントとなります。
つまり、ケアをするべき筋肉は太腿の外側を支える筋肉のラインとなります。
3:効果的な2つのセルフケアの方法
効果的なケアのポイントは筋肉の繋がりのライン上の2ヶ所です。
①太腿の外側の筋肉の間
この部分へのケアを行うことで特に痛みの出やすいポイント③へのケアを行うことができます。
ケアのポイントである太ももの外側は
太ももの斜め前側にある筋肉と外側にある筋肉がくっつきやすいポイントです。
筋肉同士がくっつくと柔軟性が低下し、疲労もたまりやすくなります。
そのため、硬くなった筋肉が膝の骨とこすれて炎症を起こして痛みが出ます。
1:ケアの場所
2:ケアの方法
二つの筋肉の間を押して筋肉を分けていく
ケアのコツ
脚を外に開いておくと筋肉が緩むため、ケアをしやすくなる
ピンポイントで押すと痛みが出やすい為、面で押していくようにする
②お尻の外側の筋肉
太ももの外側の筋肉の硬さで膝の痛みが出やすくなるため、
筋肉の繋がりを利用して太ももの筋肉を柔らかくすることができます。
そのため、一つ目のケアだけを行うよりもよりケアの効果を高めることができます。
1:ケアの場所
お尻の側面・骨盤の骨の出っ張りを目安にする
2:ケアの方法
お尻は筋肉も分厚く、脂肪もあるため握りこぶしの角やテニスボールなどで奥まで押すようにほぐしていく
3:ケアのコツ
骨の出っ張りの近くの筋肉をほぐすとより効果が出やすくなる
押す力の向きをなるべく水平方向を合わせるようにする
⇒反対側のお尻に向かって押すイメージ
まとめ
ランニング中に膝の外側に痛みが出やすくなる理由とは
①元々、人間の膝は外側へと逃げていく性質がある
②そのため、膝の外側にはストレスがかかりやすい
③膝の外側の骨と硬くなった筋肉が擦れることで特に痛みが出やすくなる
効果的なケアのポイントは
①硬くなった太もも側面の筋肉を柔らかくする
②直接的なマッサージでも効果あり
③くっついた筋肉同士を分けてあげることでケアの効果は高くなる
④筋肉の繋がりを利用することで効果が上がる
⑤繋がりはお尻の筋肉を利用することが効果的
セルフケアはこちらの動画でも紹介しているので合わせてご覧ください。
お尻の外側、太ももの外側のケアを行うことで膝の内側にかかる負担も軽減できるため、
歩くときに膝の内側に痛みが出るという方にも効果が期待できます。
膝の外側の痛みは筋肉の硬さを原因とするものが多いです。
しかし、筋肉を柔らかくするだけでは負担が蓄積した際にまた痛みが出てきやすくなります。
そのため、膝の外側へとかかってしまう負担を減らすために、足首のケアも行うことでより膝への負担を晴らしていくことができます。
足首へのケアについてはまた、別の記事でご紹介します。