捻挫はスポーツ中だけでなく、日常生活でも起きる足首のケガではおそらく最もメジャーな怪我です。
今回はそんな捻挫した足首についての解説と、それに対しての応急処置についてご紹介します。
セルフケアについては後日ご紹介させていただきます。
そもそも捻挫した足首ってどんな状態なの?
1:本来の足首の状態
足首は簡単に表すと膝から伸びる2本の骨と足部の骨とで3つの骨が関節を作っています。
骨同士を繋ぐために足首の内側と外側に靭帯があります。
足首を捻ったときには主に足首を支える外側の靭帯を痛めることが多いです。
まれに内側を痛めることもありますが、今回は頻度の多い外側について紹介していきます。
2:捻挫をするとこうなる
本来、足首には内側と外側のバランスが整った状態で足が床に着くように制御する機能があります。
しかし、足首を捻ると内側と外側とのバランスを制御する機能が低下します。
その結果、足の外側へとバランスを崩しやすくなってしまいます。
そのため、常に足首の外側へと負担がかかりやすい床への接地となります。
3:捻挫はクセになりやすいって聞くけど?
靭帯は一度、傷めて伸びてしまうと元の状態に戻ることはありません。
そのため、足首のバランスを制御する機能が低下して外側へと崩れてしまいます。
その際に、足首の感覚を整えるリハビリを行わないと低下した機能を補うことができません。
そうすると、歩くたびに足首が外側へと崩れ続けることになります。
その結果、足首を捻る方向へと常に負担をかけ続けてしまい、ふとした時にバランスが崩れやすくなり、再び足首を捻ってしまいます。
これが、〝足首の捻挫はクセになりやすい”と言われる所以です。
捻挫した足首に効果的な処置は?
1:応急処置の基本のRICE処置
応急処置の基本はRICE処置です。RICE処置とは4つの処置の頭文字の略称です。
R:Rest 患部の安静 I:Icing 冷却 C:Compression 圧迫 E:Elevation 挙上
一般的に学校教育などでも紹介されている応急処置となります。
R:まずは患部の安静をすることから始まります。
I:怪我してすぐは熱を持っているため、冷却症状を緩和します。
(海外の文献では冷却の効果はあまりないと言いう説もありますが、個人的には冷却はオススメします)
C:患部の内出血や腫脹を防ぐことが目的として、弾性包帯などで圧迫をします。
E:患部が腫れるのと、腫れの軽減を図ることが目的として、患部を心臓より高く挙げます。
2:患部を保護する簡易的な固定
捻挫した足首は靭帯が伸ばされた状態のため、本来の適切な場所に保つことができません。
そのため、身体の外から関節をサポートして、痛めた組織への負担を軽減する必要があります。
理想としては専門家にテーピングなどを巻いてもらい、適切なポジションに固定することです。
しかし、簡易的な固定であればテーピングが無くてもタオルやベルトなどで代用することができます。
ここでは簡易的な方法とそのポイントをご紹介します。
①足の裏にタオルを通す
②足首の角度は痛みの無い範囲で直角にする
タオルを引っ張って足首の角度を調節する。
③足首の外側を引っ張り上げて外側へと崩れたバランスをサポートする
④タオルを交差して足首に巻き付けて固定をする
交差することで足首の動きを制限する。
テーピングと違い、固定力は弱い為、あくまで応急的な固定となります。
たかが捻挫と軽く見てはいけない
最後に、捻挫・足首を捻ったと聞くと、どうしても症状を軽く考えてしまいがちになってしまいます。
しかし、捻挫は放っておくと痛みがなかなか治まらず、長引いてしまいます。
また、捻挫をすると足首の動きをコントロールする感覚もくるってしまうため、治りかけたころに再び同じ方向に足首を捻ることが多々あります。
逆に、足首の捻挫は初期に適切な処置をすることで症状の回復も早くなります。
また、捻挫の後の足首周囲の感覚の改善、及び足首を支える筋肉のバランスを整えることで再発を予防していくことができます。
足首の捻挫を甘く見ずに初期に適切な処置をすることが、その後の回復にも大きな影響を与えます。
応急処置を行い、痛みが長引かないようにすることで、早期のスポーツ復帰やストレスの少ない日常生活へと戻ることが可能となります。