今回は身体の調子を整えるセルフケアについてです。
セルフケアを続けることにより生まれるメリットの一つをご紹介します。
今回ご紹介するポイントは肩甲骨です。
来年行われるオリンピックの種目でもあるボルダリング。
その選手である、楢崎智亜選手がテレビでの取材で紹介された際に
立甲の有効性がピックアップされました。
その後、世間での
『「立甲」ってすごい』
『「立甲」ができるとなんか良いみたいだよ』
という、立甲という言葉が広がり始めました。
しかし、実際のところ立甲がなんなのか。
なにが良いのかはあまり知られていません。
また、ボルダリングに対してのみ有効と思われがちですが、
実は日常生活でも立甲が行えることでのメリットはあります。
順番にご紹介していきます。
この記事のポイント
1:立甲とはそもそもなんなのか?
2:立甲ができると何が良いのか?
3:立甲ってどうしたらできるのか?
1:立甲とはそもそもなんなのか?
立甲とは古武術の高岡英夫先生が提唱を始めた言葉です。
高岡先生は古武術だけでなく、身体意識など幅広く身体の扱いに精通している先生です。
肩甲骨ー上腕骨が一直線に繋がった状態、『甲腕一致』とも言います。
2:立甲ができると何が良いのか?
肩甲骨の可動性が向上し、腕全体をしなやかに力強く使える
メリット②
体幹が安定して、身体に「軸」が通り、ブレが少なくなる
メリット③
下半身の機能が向上する
メリット④
身体への余計な負担が減り、怪我のリスクが減る
肩甲骨と上腕骨が連動して働くことにより、
体幹からの力を無駄なく活かすことができます。
体幹からの力を十分に活かすことができると、
腕の余分な力を減らすことができます。
また、肩甲骨と上腕骨の位置関係は通常は角度がついてしまうため、
力のロスが出てしまいます。
しかし、立甲により位置関係が整うと角度が減るため、
肩周りの筋肉にかかる負担が減り、ケガのリスクが減ります。
こちらの内容は動画でもご紹介していますので、合わせて参考にしてください。
3:立甲はどうしたらできるのか?
立甲を行う上で重要なポイント
①肩甲骨の可動性
②背骨の可動性
この2か所が重要となります。
エクササイズは動画でもご紹介していますので、
読むのが苦手という方や実際の動きが見たい方などはこちらをご参照ください。
①肩甲骨の可動性
肩甲骨には多くの筋肉がついています。
そのため、立甲を行う際には四つ這いでの姿勢でのトレーニングと並行して
肩甲骨の内側、肩甲骨の上方のストレッチ、身体を捻じるストレッチを、
合わせて行うとより行いやすくなります。
肩甲骨周りのストレッチはこちらをご参考ください。
②背骨の可動性
立甲を行う上でも背骨の柔軟性は大事ですが、
立甲を行うメリットである、体幹との連動を向上するためにも、
背骨の柔軟性があるとより効果が向上します。
背骨のトレーニングについては以前のこちらの記事をご参照ください。
四つ這いでのトレーニング方法
基本姿勢:四つ這いの姿勢を作ります
肩の下に手、股関節の下に膝が来るようにする。
前方から見るとこのようになっています。
四つ這いが基本の姿勢となるため、
この姿勢を保つだけでもトレーニングになります。
練習方法① 姿勢を保って脱力をする
姿勢を保ちつつ、肩回りの力を抜いていく。
この時に背中を寄せる意識ではなく、
肩の位置を保ちつつ
身体はベッドに近づけて落としていくイメージで行う。
練習方法② 四つ這いの姿勢で身体を左右に揺らす
四つ這いのまま身体を左右に動かすことで
肩甲骨の内側へのストレッチを加えていく
まとめ
立甲を行うことで大きく分けて4つのメリットがあるとご紹介しました。
実は、立甲は身体を効率的に動かす手段の一部です。
立甲は身体を上手に動かす入門と言っても過言ではありません。
加えて、背骨の柔軟性・股関節の機能も合わせて向上することで、
下半身からのエネルギーを腕に伝えることができるようになります。
スポーツの中で活用されることが多い立甲ですが、
日常生活で身体への負担の軽減にもつながっていきます。
例としては、デスクワークや車の運転中の肩から腕の安定感の向上、肩こりの改善、料理などの腕に力を入れる動作の疲労感の軽減などの効果があります。
身体の使い方は今回ご紹介した以外にも多様にあります。
共通点としては日頃のセルフケアが重要となります。
日頃から少しずつ身体を整えることで表面的な身体の調子だけでなく、
内臓などの調子も整うのが期待できます。
方法など疑問がありましたら、コメントにご記入いただけると助かります。
また、トレーニング方法などはこのほかにもあるため、
今後もご紹介させていただきます。